○カセットMTRを使った同期ライブセット
実践編
前回【準備編】はライブの準備方法を紹介したいので、今回はライブのセッティング解説と実際に何をやってるかを紹介します。
- 使用機材
- TASCAM 424MK3(カセットMTR)
- TASCAM MTS-30(シンクロナイザー)
- Roland TR-8(リズムマシン)
- Roland TB-303(ベースマシン)
- KORG monotron-delay(モノラルシンセ)
- BOSS RE-20(エコー)
- BOSS RRV-10(リバーヴ)
- BOSS FS-5L(フットスイッチ)
- Elektron Analog Heat(エンハイサー/DYN SYNC)
ライブ時のセッティング図
ライブによって機材は多少異なりますが、基本はこれらのセットです。
■MIDI同期
424MK3をマスターにします。再生するとMTS-30からTR-8にMIDIシンク、更にAnalog HeatにMIDIクロックを送り、DYN-SYNCでTB-303に同期します。
■オーディオ信号
424MK3はオーディオ入力が8ch、センド/リターンが2系統と中型ミキサー並みのスペックです。オケで2ch、TR-8で2ch、TB-303で1ch、monotoron-delayで1ch、リターン1系統で2chを立ち上げてます。
センド/リターンにはRE-20とRRV-10を接続してます。
マスターアウトはAnalog Heatに入れてますが、基本はバイパスにし、ギミック的にマスターアウトにフィルターやディストーションで過激に変化させる時に使います。
ライブ中の演奏(操作)
424MK3でオケを流しながらTB-303つまみ類を弄り、リアルタイムでTR-8にリズムを打込み、時々monotron-delayをSE的に鳴らしてます。424MK3のミキサー部分でEQ、エフェクトのダブ処理を行い、テープスピードを変化させてトリッキーなプレイもします。また、曲によっては外部入力音とテープ音を切り替える事もあります。これらの操作を一人で行うため同時に操作するには限界があります。手だけでは限界があるためスパッとエフェクト音を切りたい時にフットスイッチのFS-5Lも使いRRV-10のON、OFFも行います。テクノ系のライブはスタートボタンを押したらその後ボーっと立ってるだけと思われがちですが、私のライブは常に何かを操作している状態なのであまり休む暇はありません。
避けられないテープチェンジ
前回書きましたがカセットMTRの録音時間は通常のカセット録音の半分以下となるため、60分テープを使っても30分以下しかオケを流す事ができません。60分のセットであれば最低70分テープが2本必要です。
DJプレイとは違いライブセットは音を止めても許される風潮ではありますが、自分としては常に何かしらの音を鳴らしていたいので、音が鳴ってる間にテープチェンジを行います。カセットテープの最後の曲のエンディング部分でRE-20やmonotron-delayで残響音を加えて、残響音が響いている時に素早くカセットテープを入れ替えます。次のテープはオケのスタートタイミングを合わせておかないと、無音時間が長くなるため注意が必要です。
以上、2回に渡りカセットMTRを使った同期ライブを解説しました。気になった事があればお気軽にご質問ください。
カセットMTRライブを下記の日時で披露しますので、是非足を運んで体験してください。
(HP、Facebook、Twitter等で連絡をいただけますとディスカウントさせていただきます。)
7th EP「Drift Away EP」 Release Party
2018.6.16 23:00 Start
CIRCUS Tokyo(渋谷)
ADV:2,000/DOOR:2,500
GUEST DJ:Cup & String (KMS Records / Central Station Records) / Watusi (COLDFEET)
DJ:Wakagoro Yamada (Charterhouse Records ) /Sio / Souta Raw / Baki (nagomi / projectOTO) / SUZU(CHARGE / KEY) / u come on! (flowers in cave ) / kurozumi (Soul Matters)
LIVE:Motoki Hada (Charterhouse Records ) / Ueno (CharterhouseRecords) / The Third Place (Charterhouse Records)
VJ:nanao / CNS
PHOTOGRAPHER:Kiyuu
FOOD:うえの屋
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Motoki Hada
UKのレイヴカルチャーに影響を受けトラックメイキング、DJ活動をスタート。ドイツの「Berlin Aufnahmen」「EMINOR BINARY」、ポーランドの「Pure Cocaine」よりリリースする。ラップトップを使ったトラックのクオリティとライブ性を競うバトル「Laptop Battle Tokyo Vol.6」で初出場ながら準優勝。レッドブルが世界中のクリエイターを選出し、教育するプログラム「Red Bull Music Academy」の体験版「Red Bull Music Academy Bass Camp 2012」に国内クリエイターとして選出される。
Charterhouse立ち上げ後はカセットレーベルのオーナーらしく、ラップトップからカセットMTRを使ったライブスタイルに移行。カセットMTR、TB-303、TR-8とMIDI、DYN-SYNC、FSKと3つの異なった信号を同期演奏させる事でも話題。
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